On climbing a mountain road

March 25 – May 14, 2017

We are closed on Monday, Tuesday and National Holidays(4/29, 5/3-5)
Opening Party: March 25, 16:00-18:00

We are pleased to introduce a joint exhibition of works by Yoshikawa Tamihito, a painter, and Yoshikawa Kaori, a doll artist, entitled “On climbing a mountain road.” The paintings, in oil, with their blight colors and rhythmical, lively strokes impart a certain type of comfortable impact, while the “clay animals” (small colored clay dolls) capture endearing gestures or humorous poses of various animals. In private life, the Yoshikawa’s are husband and wife, and this exhibition is their first to be held jointly.

Drawing inspiration from each other’s works has given them a collaborative sense. The animals seem to play in the colors of the paintings or the paintings seem to appear from the world where the animals live, as if they are having a two-way dialogue. The title, “On climbing a mountain road”, is an excerpt from the opening of Natsume Soseki’s “Kusa-Makura.” The Yoshikawa’s liken the creation of art works to climbing a mountain road single-mindedly.

Included among the 30 latest works are Tamihito’s large paintings and steel-wire objects, and Kaori’s animals of clay incorporating colored glass and glass accessories. Please enjoy this “duet” that comes from the overlapping of two worlds, and which completely fits this season of spring.

吉川民仁「東風」2017年 油彩、キャンバス 吉川かおり「知らせ」2017年 石粉粘土、透明水彩、ガラス
吉川民仁「東風」2017年 油彩、キャンバス
吉川かおり「知らせ」2017年 石粉粘土、透明水彩、ガラス

吉川民仁・吉川かおり

山路を登りながら、

2017年3月25日–5月14日

休廊: 月曜・火曜・祝日(4/29, 5/3-5, 5/1-5は連休させて頂きます)
オープニングパーティー 3月25日(土)16:00–18:00

「山路を登りながら、こう考えた。」

夏目漱石の『草枕』冒頭の一節である。漱石は住みにくい人の世を少しでも住みよくする為に詩人や画家が生まれ、その芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊いと綴っている。

とは言うものの、私たちが絵を描いたり物を作ったりするのは世の為、人の為というよりはむしろ己の為、自分のやりたい事をやっているにすぎない。そう、ただ、“山路を登っている”だけなのである。

それでも、そうして生まれた作品が人をなだめ、豊かにする事ができるのであれば、それはとても幸せな事である。

今展は吉川民仁、かおりの初めての二人展になる。
二人がそれぞれ続けてきた世界を静かに添わせた展覧会である。

鎌倉の山路を登った先にある風景をどうぞ眺めにお越しください。

吉川民仁・吉川かおり

展覧会概要

この度、鎌倉画廊では画家・吉川民仁と人形作家・吉川かおりの二人展を開催致します。鮮やかな色彩とリズム感溢れる躍動的な筆致が心地よいインパクトをもたらす吉川民仁の油彩画、動物たちのちょっとした仕草や表情をユーモラスにとらえた吉川かおりのクレイアニマル(粘土に彩色したオブジェ)。私生活では夫婦の間柄であり、それぞれの作品世界を創り上げてきた二作家の初のコラボレーション展示となります。

今展の作品群は互いの先行する作品からインスピレーションを受けて制作されており、組作品のような要素を持ち合わせています。動物たちが絵画の色彩に包まれながら遊び、佇み、また彼らの住む世界やその息吹が絵画として生まれて出たような---双方向に行き交う感性を味わっていただける構成です。タイトルの「山路を登りながら、」は夏目漱石の小説「草枕」からの引用であり、創作をする自らを只々山路を登っていることに例えています(作家のコメントをご参照下さい)。

二作家の作品総数は小品も合わせて約30点。吉川民仁の主な新作油彩画は50号から200号の大作まで、加えて2009年以降取り組んでいる立体作品の新作でもクレイアニマルとのコラボレーションを試みます。吉川かおりは近年特に色と造形の美しさを高めてきたガラス素材を組み合わせたクレイアニマルの新作の他、ガラス製アクセサリー等も展示販売致します。双方とも着実にキャリアを積み、その表現は発表するごとに充実を増して今後ますます期待が高まります。ふたつの世界が重なり醸し出す風景から春にぴったりの二重奏が聞こえてくるような展覧会を是非ご高覧下さい。

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