関根伸夫 ”RE-CREATIONS 1970/2011”

2011.9.3(土)-10.23(日)

関根伸夫の1970年の2作品「空相?石を切る」と「石とネオン」(ともに国内未発表)が
当時の構想図に基づき、今展にて作家により再制作されます。

   
1960年代後半から70年代前半にかけて、石や鉄、木、紙など素材そのものにほとんど手を加えずに
作品として提示し、のちに「もの派」と呼ばれる作家たちが日本の現代美術におけるひとつの動向を
かたちづくりました。関根伸夫(1942?)はその代表的な作家の一人として知られています。作家は
1960年代後半に高松次郎の助手をつとめ、その後、美術の要素としての空間を問い直すべく位相幾
何学への関心を高めていきました。ある構造を連続的に変形させていくとさまざまな形態となり得る
ことにヒントを得て独自の構想を作品に反映させていきます。見る角度によって凹型や凸型に、平面
的にも立体的にも見えるトリッキーな作品「位相」シリーズを発表し、1968年開催の神戸須磨離宮公
園現代彫刻展において制作された「位相?大地」(大地を巨大な円筒形にくりぬき、掘出した土を積
み上げて大地に開いた円筒形そのままのかたちにして穴の横に置いた作品)は当時の美術界に衝
撃を与え、現在では「もの派」における記念碑的作品ともみなされています。その後も、円筒形のス
ポンジをその上に乗せた鉄板の重さで彫刻のごとくゆがませた作品やステンレスの角柱の上に巨大
な石を乗せた作品などを精力的に発表してきました。今回の展覧会では、「もの派」の展開が著しい
1970年に構想した「空相?石を切る」「石とネオン」の2作品を国内で初めて再制作・展示致します。
地面と水平に3つに切断された石、その断面に磨き上げたステンレス板を切り口のかたちに忠実に
配した「空相?石を切る」、丸みを帯びた3つの石の中心を蛍光管が1本ずつ貫通しながら光を放つ
「石とネオン」。同2作品の構想図である版画作品とともにご覧頂きます。また、1968年に「位相」の
構想を描き出した貴重なドローイング、都市や自然のなかにおけるさまざまな作品構想図案「プロジェ
クト」シリーズなどもあわせて展示します。現在、欧米でも評価が高まる「もの派」。そのなかで今展
は日本現代美術の歴史と現在へのつながりを再確認して頂ける機会になることと思います。
ぜひご高覧ください。

作家経歴

会場風景

 
関根伸夫 「プロジェクト(空相ー石を切る)」 1971 シルクスクリーン                            
 
 
 

*****2F展示室にて常設展同時開催*****

若手作家も含む国内・海外作家の作品を展示いたします。


       

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