Mu So

Solo Exhibition

November 2 - December 22, 2013

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馬場健太郎 「無想」

2013年11月2日 - 12月22日

馬場健太郎(1968-)は、画家として活動を始めた90年代初頭より、風景や日常の出来事、自然、思考などさまざまな場面・事象を明確なかたちとしてではなく、それらを表層とキャンバスとの間、絵の具の層の中に溶かし込むかのように油彩画を作り続けてきました。特徴的なのは、イタリア・ミラノに滞在し伝統的な絵画の古典技法を学ぶなかで修得したエマルジョン・キャンバス(膠の層を施す技法)の支持体を土台としていること、重なり合う対極的な色の層が作り出す奥行きや光、蜜蝋を含んだ油彩の物質感のある画面です。

鎌倉画廊で3回目の発表となる今展では、タイトルを「無想」とし、無心に絵の具を塗り重ねていく自らの行為を「絵の具とキャンバスとの関係を手で実験し眼で確認する」繰り返しであり、そうして描かれた作品は「目の前の現在と記憶とを結びつける『装置』なのかもしれない」と表現する作家。異なる色同士が重なりながら徐々に厚みを増す作品は、作家にとって常に「現在」が「記憶」になっていく繰り返しとも言えます。そのなかで描き出されるものは、「無意識に記憶された風景の断片」。無心に描く行為の果て、それらの断片が画面に浮上したとき作品は結実します。それはひとつの特定の風景ではなく、鑑賞者それぞれのなかにある、いつかの断片をも思い起こさせるものではないでしょうか。150号の大作をはじめ、小品まで約10点を展示する新作展では、堅牢な画面の中にあって引立つ軽やかさが加わり、これまで見られなかった色相にも挑んでいます。表現の手法が多様化する現代、「絵画」であることを追求し続ける作家の新作をぜひご高覧下さい。

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