李 禹 煥 Lee Ufan

1999年1月22日 - 2月24日 January 22 - February 24, 1999

会場写真 (photograph)

経 歴 (biography)

カタログ掲載文 (text for catalogue)


私の闘いは、芸術を同一性の幻想から解放する試みだ。
私は近代的な産業社会へのずっと先を見つめたい。だからといってそこらへんの自然なもの、または実在としての東洋的なものを目指すのではない。
理性と世界の非同一性を認め、人間と外界との対話を望みたいのである。
表現を、自己の表象化から内部外部の関係化へズラそうとするのも、そのためと言っていい。もちろんこの場合、外部性もまた借用や設定による暗示に留まるものであって、野放しの外界そのものではない。
作る事をせいげんして高度化し、作らざるものとの厳格な対応を図ることによって、作品を成立させる。外部性と内部性の張り合いと相互浸透による作品空間は、暗示的で半透明な場所になるだろう。そしてこの内と外の両義的な現場こそが、見る人の感覚を活性化させ、真に想像力を刺激するはずだ。
芸術は自己と他が出会う未知の予感であってほしい。

       李 禹煥



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